WEMPEの船舶用クロノメーター100周年を記念して、2005年に限定モデルとして発表されたランゲマティック・パワーリザーブです。
この派生型は通常のランゲマティックではなく、大振りな方のランゲマティックのケースに入って出てきました。
# 大型化は昨今の風潮とはいえ、37mmの方のケースの方がこのデザインなら精悍な感じになったんじゃないだろうかと思わないではないですね。
WEMPEのサイト等では、PTで100本、YGで100本と紹介されていますが、さらにNYのWEMPE限定でRG25本出したという話がPuristSあたりに流れてましたね。
さて、このモデル、最大のウリは何といってもグラスヒュッテ系のメーカーならびに時計師が海軍に納めていた船舶用クロノメーターのデザインをそのまま復刻していることでしょう。
グラスヒュッテの懐中に関する書籍やオークションを眺めているだけでも、このようなデザインにかなりの確率で遭遇することになる思われます。
この時計の箱もこの船舶用クロノメーターの木箱を模したもので、ここでデザインの意図が裏付けされますね。
ということで意匠の面では雰囲気満点、グラスヒュッテの本家本元たるランゲの面目躍如ってところでしょうが、ただ、惜しむらくは箱のジンバルが本物の船舶クロノメーターのように水平を保つべく可動にはなっていないことで・・・まあ、ヘリカルなヒゲゼンマイでも採用してれば是が非でもそうあるべきだったとは思いますが、機械の中身は今時の機械式ですから、こんなものでしょうかね。若干残念ではありますが。


で、ムーヴメント。
シースルーバックから覗けるムーヴメントに何か違いがあるか、ですが、まずSAX-0-MAT系のcal refから見ると、
L921.2 1815オートマティック
L921.4 ランゲマティック
L921.6 WEMPE クロノメーター
L922.1 ランゲマティック・パーペチュアル
てな具合で違うrefがふられているのがわかります。
# ってパワリザつけた以上は当たり前かも。
見た目としては、パッと見たところでは通常のランゲマティックと同じに見えはしますが、パワリザの機構はダイアル側とはいえ、微妙な違いがブリッジ側にも現れています。
L921.4と比較すると、
・テンワ受けの上の部分の形の張り出しが大きい
・ゼロリセット部分と直結している?巻き芯の取り回しのあたりのブリッジが分割されていない
・パワーリザーヴ表示機構のあたりにシャトンビス止めの石が1つ、通常の石が2つ、増えているように見える
・結果的にcal refの刻印の位置が異なっている
という具合で、パワリザ載せるのにブリッジまで弄っているのがわかります。
# 比較のためにL921.4の写真に赤い丸をつけておきます。
  
(クリックすると大きい写真が出ます)
というわけで石の数も違うの?って話になりますが、なぜかこちらのモデルは42石で通常のランゲマティック(L921.4)より3石少なくなっています。
見た目パワリザの分だけ3つ増えているように見えることからすると、どこをどう減らしているのか、極めて興味深いところではありますね。
自動巻き部分だとすれば、ベアリングの素材をセラミックに換えたりしてるのかも。
ついでながら、ガワにWEMPEのロゴとシリアル(036/100)を打ってあるのは、サイドステップなんかと同じですね。
■モデル
Gross Langematik Power Reserve (WEMPE Chronometerwerke)
YG
40mm
100本限定
■ムーヴメント
L.921.6
30.4mm
42石
21600振動
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