■ D.ドーンブリュート&ゾーン ■  
GUBの技師だった?Dieter Dornblüth (DornbluthともDornbluethとも)氏とその息子さんのDirk氏によるメーカーです。Dirk氏が時計技師の資格を取った1999年に創業。
グラスヒュッテから北に約350km離れたザクセン・アンハルト州のKalbeという街にあります。ベルリンやハノーヴァーからはさほど遠くなく、バウハウスのあったデッサウの側なんだそうですが、調べてもどこだかわからないくらい小さい村です。
現在はKal.99.0、Kal.99.2の2キャリバーのみの生産で、ケースの素材としてはYGとSS、黒ダイアル・白針か銀ダイアル・青針の組み合わせが選べます。月産はあわせて3〜4本、Kal.99.0はドイツの一部の小売店で販売されています。
自社の設計でトゥールビヨンを開発中だそうですから、これも楽しみです。

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■ Kal.99.2 レヴュー ■  
ユニタス6498を磨き直し、かつグラスヒュッテ様式の3/4プレートにしたKal.99.0を発展させ、ユニタス6497にさらに独自開発のパワーリザーヴ機能を組み込んだKal.99.2は2002年の発表と共に本格的にドイツの時計メディアに取り上げられるようになり、D. Dornblüth & Sohnの知名度も一気に上がりました。
とはいえ2003年7月10日の日付でレファレンス番号は19番、まだまだこれからといったところでしょうか。

■基本情報
ケース素材:ステンレススチール
サイズ:42mm
ムーヴメント:D. Dornblüth & Sohn Kal.99.2 (ユニタス6497改造)
18,000A/h (5振動)
パワーリザーヴ48時間
防水:多分、日常生活防水程度だと思いますが非防水かも。
価格:4500ユーロ(2003年7月現在)

■箱・保証書

まずは箱から。
見たまんまマリンクロノメーターを意識してますよね(笑
なので私はDieter氏が50年以上前に修理し、Kal.99.2で再現しようとした懐中ってLange VEB〜GUBで海軍向けに作られた懐中のKal.48(71?)ではないかなと思っています。デザインもパワリザとスモセコの配置が左右逆ですけど、それを除けば非常に似ていますし。
箱は表面はブライアーウッド、側面はナラ材の模様。

で、フタを開けると(フタの金具がまた日曜大工っぽくていい感じです)真ん中の写真のようになっています。
真ん中と左の写真からわかるように、ドットの粗いフォントで打たれた保証書は小さくて、紙質からすると再生紙?という塩梅。
明らかに大手のメーカーとは違う手作り感が泣かせます。

■ケース、ダイアル、針

注: 両方とも1280×960で500KB弱と巨大なのでご注意あれ。

こちらはステンレススチールのケースで、ユニタスの懐中用のムーヴメントをベースにしていることから42mmとかなり大きいです。ただ厚さが11mmなので腕に嵌めてみて極端に大きいという印象はありません。
昨今の大型化の風潮の中で、ドレッシーなものでも40mmクラスのものが出てきているので、そういう意味でもこのサイズでも違和感はあまり感じるものではありませんね。
ケースはラグとラグ間の側面は鏡面、それ以外はサテンの仕上げです。個人的には全部サテンでいいような気がしました。

ダイアルの色合いとしては右側の写真がより実物に近いのですが、ダイアルの素材はなんでしょうね、僅かに金色がかった銀色で、梨地仕上げです。インダイアルには同心円状の彫りが施されています。
左側の方は光を反射させて、インデックスの塗料の具合や、針の焼け具合などを写そうとしたものです。
インデックス等はプリントではなく塗りで、盛り上がりが写真から確認できるかと思いますが、厚みのある塗りです。
青焼きの針は100年以上前の懐中時計の針を使っているんだそうで、クラシカルな雰囲気を醸し出すのに見事に一役買ってますね。
尚、長針の先は曲げてあります。

風防はサファイアで、Dornblüth氏いわく、このRef.19からの採用だそうです。それまではミネラルだったようです。
PuristSでは、同サイトのドイツ時計の権威と化しているThomas Ernst氏が5月に訪問した時にミネラルではなくサファイアにしたらどうかという提案をして、Dornblüth氏はすぐに注文していたとの書き込みがありましたが、そこから約2ヶ月で完成品に反映されたことになりますね。

なお、ケースとダイアルについては以下の会社のものです。ご参考まで。
ケース:Frciker社
ダイアルCador社、Lörrach社

■ムーヴメント

注: 両方とも1280×960で500KB弱と巨大なのでご注意あれ。

ムーヴメントはユニタス6497をベースにしているそうですが、テンプまわり(テンワ、ヒゲゼンマイ、インカブロックなど)を除いて自作らしいとか、地板と一部の歯車もユニタスのものだとか、色々いわれていてどこまでが自作なのかは釈然としません。
ただ、ブリッジ、シャトン、スワンネックなどは自作とのこと。
地板と歯車についてもユニタスのものだったとしても、穴を開け直したり磨き直したりとかなり手を加えています。

巻上げ感はかなり重めな方に属すると思います。とはいえ竜頭も7mmくらいの径と大型に出来ているので、巻上げそのものは苦労するものではなく、重い巻上げ感を楽しんでくださいといった趣になってます。
パワーリザーヴで残り10時間を切ってくる辺りからさらに徐々に重くなってくる感覚が大変に宜しいです。

ブリッジの素材は色からすると銅に見えます(笑
でも銅を使うとも思われないので・・・と思ってたらTimeZoneに書いてありましたね。RG張りだそうです。
ブリッジにはジュネーヴストライプを施してますが、非常に細かいとはいえ模様に若干のムラが見られ・・・ワタクシメとしては手作り感があってむしろこの方が好感が持てます。微笑ましいというか。
丸穴車、角穴車、のグラスヒュッテ・サンバースト装飾は流石のデキ。ノモスやグラスヒュッテオリジナル、ユニオンに比較しても非常に滑らかな仕上がりです。

■尾錠・革バンド

尾錠はごくごく普通の刻印で、ここまでは流石に手が回らないか・・・という印象です。
でも手作り感こそ命!と自分の中で決めてしまえば、これも手作り感溢れるデキ、という評価になりますか(笑
革バンドはアリゲーターでツヤなし、この場合は普通の茶色になってますけど、色々選べるとのこと。

■まとめ

ということで、これは個人的には
- Lang & Heyneと並んでグラスヒュッテ様式のもっとも正統な後継者であること
- 完全なマニュファクチュールではないにしても、マニュファクチュールと呼べるかもしれないこと
 # そんなこといいはじめるとマニュファクチュールはセイコーだけになってしまいますね(笑
- 旧来の手工業の手法であり、手作り感が強いこと (受注生産、月産4本ですし)
- その割には良心的な値段設定であること
という点で非常に満足しています。

ムーヴメント、デザイン・装飾、仕上げ等々のバランスでいえばやはりムーヴメントが傑出しており、極論してしまえば「機械を愛でるための時計」ではありますが、ダイアルや針についても同様の価格帯の他の時計に比較しても十分素晴らしいデキだと思います。

シメの写真はグラスヒュッテ系3本揃い踏みで(笑

■参考
PuristSの記事
TimeZoneの記事 # TZの方針変更に伴いリンクを削除しました。と敢えて書くのはTZの・・・ごにょごにょ(笑

07/23/03 初稿
10/20/03 一部修正
03/20/05 TZへのリンク削除

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