■ ヘンチェル ■  
訪問記の方で何度か取り上げているだけに多くは必要ないと思いますが簡単に。
ヘンチェルはハンブルグのアンティーク時計店で、平日はヴィンテージ、アンティークの時計の販売と修理を行ってます。加えてコレクター向けの時計講座なども週1か月1かそんなペースでやっているようです。
自社ブランドはアンティーク、ヴィンテージを扱ってる中で、いちコレクターとして理想の時計とは、みたいなコンセプトから成り立っていて、
- 複数種のデッドストックのムーヴメント
- 複数種のダイアル
- 複数種の針
- ムーヴメントの装飾
を店主と話しながら選んでいくスタイルとなっています。
現在はデッドストックムーヴメント中心ですが、いずれは自社ムーヴを開発したいそうで、こちらも期待大ですね。

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■ H1 レヴュー ■  
こちらは初めて工房に遊びに行った時に注文したH1モデルです。
通常のH1だとムーヴメントはAS1130かAS1188なんですが、これはドイツ時計バカ一代スペッシャル!ということでドイツ製の機械を載せています。
 # このモデルはまだムーヴメントが残っているので注文可能と思います。

注文したのが2004年3月、ほぼ完成したよ、との連絡を受けたのが8月、細かいところを作り直して完成したのが11月、半年ちょっと待ったわけですけど、待つに値する完成度でありました。

■基本情報
ケース素材:パラジウムメッキのホワイトゴールド
サイズ:36.5mm
ムーヴメント:Bifora cal.130 (1964年)
18,000A/h (4振動)
パワーリザーヴ約40時間
防水:多分、日常生活防水程度だと思いますが非防水かも。
価格:約3800ユーロ

■ダイアル・針

今回はムーヴメントありき、だったので、あまりダイアルは選択の余地はありませんでした。細めのローマ数字とかできればよかったんですけども。でもこのアラビア数字もアラビア数字ならこうじゃなくっちゃ!と思えるほどにシンプルで非常に好ましい感じです。

針についてはもちろんダイアルに合うものを、ではあるんですが、折角直接ハンブルグに出向いたわけで、ストックを全部拝見させて頂いて、通常のモデルとは違うものを選びました。
個人的には注文時はもう既に懐中の世界にかなり目が行ってましたから、やはりブレゲ、ペアシェイプ(スペード)、カテドラル等々がよかったわけですけど、丁度非常に具合の良い青焼きのペアシェイプのものがありました。欣喜雀躍といったところです。
針は50年代だか60年代だかのデッドストックもので、微妙な焼きムラがそんな雰囲気を醸し出してます。
 # 完成時には微妙な剣ズレがありましたけど、これは当然すぐに対応して頂きました。

■ムーヴメント

ムーヴメントはドイツ時計バカ一代としてはドイツ製以外ありえないわけですが、今回は相当無理してドイツ製にして頂きました。
実際にはお店に遊びに行った時にデッドストックの中にBiforaをめざとく見つけ出し、「これH1のインナーケースに入りません?」と無茶をお願いしてみたところ、インナーケースに改造が要らないことがわかったんで、そのまま進めてもOK、というような感じでした。
実際にはこの機械はデイトが付いているため、通常モデルのASよりも若干厚みがあるため、ダイアルは相当苦労したようです。
Bifora cal.130というのは、Biforaでも特に有名なcal.120クロノメーターよりも大きい13リーニュで、Biforaの中でも一番大きいサイズです。
輪列はスイス系(フォンテンメロンとか)の影響が大きいように思いますが、テンワのサイズが12mmとこのサイズの腕時計としてはかなり大きいテンワとなっています。
もとはDugenaの銘が入った何の装飾もない地板とブリッジだったのですが、今回は青ネジをお願いしたので、地板もブリッジもパラジウムメッキの上、パールフィニッシュとして頂きました。丸穴・角穴もキツすぎない渦巻きパターンを入れて頂いています。
これぞ注文の醍醐味であります。

■ まとめっていうか ■  
実際に持ってみて、ですけど、この時計って憑き物を落とす効果がありますね。
別にスゴイ時計ってワケではないのは見ての通り、っていうか人様にアッピールするようなものはないですよね。
結局のところ、既成品ではどうも画龍点睛に欠くとか、特定のシチュエーションで使うことを想定してとかで、とっかえひっかえあれやこれや買ってしまったりするわけでしょうけど、ナットクのいくまで交渉したデザイン(顔も中身も)ですから、ドレス系でこれに勝るものは出て来る余地は非常に少ないことになります。
金額的な面では全然フツーですから(多分こんな時計に手を出す人はこれより高い時計は何本も買ったことがある人が多いんじゃないかと思います)、別にこれ持ったからといって心配や邪念が出てくるわけでもないと。
なので憑き物が落ちる、と。
 # その結果としてスポーツ系にドライブかかってちゃ世話ないんですが(笑
というわけで、熱に浮かれた時計趣味に踏ん切りをつける時に自分で納得するための時計として十分に機能しそうです。
 # 自分の場合はこれとフィスコシルとドーンブリュートとブレゲ(アジェンダ)だけで普段使いは十分です。後は鑑賞するものとか資料性の高いものとかそんなもの。

茶器とかどうとかいうつもりは全然ないんですけど、ぱっと見ただけでは何の変哲もない時計だし、さらに(特に金額的な意味合いにおいて)パテックやデュフォーみたいに中身がスゴイわけでもない時計なわけで、この力の抜け具合は潔いというか、これはスゴイ日常なのだと思うのでした。
こういう時計をはめるのって単純に幸せですよ。

01/30/05

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